
Step FX は数十種類のフィルタを備えています。
ローパス(LP)フィルタは、指定したカットオフ周波数を下回る信号成分を通過させ、この周波数を上回る信号成分は減衰させます。バンドパス(BP)フィルタは、カットオフ周波数の周囲の帯域に入る信号成分を通過させ、この周波数帯を上回る信号成分と下回る信号成分は減衰させます。ハイパス(HP)フィルタは、指定したカットオフ周波数を上回る信号成分を通過させ、この周波数を下回る信号成分は減衰させます。
Step FX には 2 ポール、4 ポール、マルチポールの状態変数型およびアナログ変調型の LP、BP、HP フィルタ設計が複数あり、それぞれに大きな特徴があるので、目的に合わせて選択できます。使用できる LP、BP、HP フィルタには、「Smooth」、「Edgy」、「Rich」、「Sharp」、「Clean」、および「Gritty」のバリアントが含まれます。
Smooth:2 ポールまたはマルチポールの状態変数型フィルタ。
Edgy:2 ポールまたは 4 ポールのアナログ変調型フィルタ。4 ポールのバリアントは、カットオフ周波数を上回る周波数を急激に減衰させます。
Rich:2 ポールまたは 4 ポールのアナログ変調型フィルタ。4 ポールのバリアントは、カットオフ周波数を上回る周波数を急激に減衰させます。
Sharp:2 ポールのアナログ変調型フィルタ。
Clean:Bi-Quad フィルタです。これらのフィルタには「Drive」オプションがありません。
Gritty:高いレゾナンスおよびドライブ設定で激しく飽和するよう設計されている 2 ポールフィルタ。
3 つの主要なフィルタコントロールには、すべてのフィルタ・タイプに共通する標準的な機能があります。
Cutoff:フィルタのカットオフ周波数を制御します。
Res:フィルタのレゾナンス(エンファシス)を制御します。値を高く設定すると、カットオフ周波数に近接する周波数がブーストされます。
Drive:フィルタをオーバードライブさせます。正確な効果は各フィルタの設計によって異なります。
ノッチフィルタはレゾナント周波数周辺の狭い帯域をカットします。残りの信号が受ける影響は最小限にとどまります。
Cutoff:カットする帯域の周波数を設定します。
Amount:減衰の量を制御します。
ピーキングフィルタはレゾナント周波数周辺の狭い帯域をブーストします。残りの信号が受ける影響は最小限にとどまります。
Cutoff:ブーストする帯域の周波数を設定します。
Gain:ブーストの量を制御します。通常は値を大きくすると最大の効果が得られます。
BW:カットオフ周波数周辺の帯域幅を設定します。
コムフィルタは、オリジナルの信号と、ごく短い間隔で遅延させたこの信号の 1 つまたは複数のコピーをミックスします。一部の周波数ではこれらの信号が合わさることで位相の打ち消しが生じます。それ以外の周波数では強調が生じます。この結果、レゾナントピークが複数ある、尖った周波数スペクトルになります。グラフでこれらのピークが櫛(comb)の歯のように見えることが、このフィルタ・タイプの名前の由来です。
Step FX は、それぞれが独自の特徴を持つ、3 種類のコムフィルタを備えています。自分の好みと作ろうとしているサウンドのタイプに合うものが、最良の選択です。とは言うものの、いくつかの際立った特徴があるため、決めるときに役に立つかもしれません。
Comb Pos はディレイライン上の正のフィードバックを使用します。一方、Comb Neg は負のフィードバックを使用して、あまり極端にならない効果を生み出し、多くの場合は鈍い音質になります。この 2 つのコムフィルタはあまり強力ではなく、レゾナンスはかなり緩やかに増加します。これは、あまり劇的な効果が必要ないときや、サウンドから励振器の信号特性がよく聞こえるようにしたいときに役立つことがあります。後者は注目すべき点で、より写実的なサウンドを生成したいときにこの特徴が有効な場合があります。
Comb PM はディレイライン上の正と負の両方向へのフィードバックを使用します。レゾナンスコントロールには両極があり、左側の負(鈍い音色)から右側の正(明るくて尖った音色)まで自由にシフトできます。このコムフィルタは、励振器のインパルスが聞こえにくく、櫛のようなピークがより目立つ、クラシックな明るい Karplus-Strong スタイルのサウンドを作り出すのに便利です。極端な設定はフィードバックにつながる可能性があるため、レゾナンスレベルには注意してください。レゾナンスレベルはゼロから始め、少しずつ増減して適切な効果の強さを見つけてください。
Cutoff:コム回路のディレイ時間を制御します。カットオフ値を小さくすると、ディレイが長くなります。
F-Back:コム回路のフィードバックの量を制御します。
Damp:コムフィルタのスペクトルにおける周波数のピークを和らげます。
注記:共鳴性が高いコムフィルタにパーカッシブなサウンドを送ると、「Cutoff」ノブで設定したディレイ時間によって決まる周波数で甲高い音が鳴ります。
リングモジュレーションは変調信号と搬送信号を掛け合わせるプロセスです。変調信号の各周波数成分は搬送信号の各周波数成分と作用し合い、2 つの側波帯を生み出します。これらの側波帯の周波数は両者(搬送信号と変調信号)の周波数の和と差です。フィルタが RingMod タイプに設定されている場合、フィルタに入る信号が変調信号として働き、搬送信号はフィルタによって内部から供給されます。
Freq:搬送信号の周波数を制御します。
Mix:搬送信号に一定のオフセットを適用します。
0% の位置では、搬送波が –1 と +1 の間で変化し、クラシックなリングモジュレーションになります。
100% の位置では、搬送波が 0 と 1 の間で変化し、クラシックなアンプモジュレーションになります。この場合、和と差の側波帯と共に搬送信号自体が表れます。
Phat FX のフィルタにはいくつかのディストーションエフェクトがあります。
「Bitcrusher」は、より強烈な音のデジタルエフェクトです。
「Downsample」は、ローファイなデジタルエフェクトです(「Bitcrusher」に似ていますが、周波数に依存します)。
「Mech」は、金属的な音のディストーションです。
「Tube」は、クラシックなチューブ・ディストーション・エフェクトです。
フィルタ・タイプがディストーションエフェクトに設定されているとき、フィルタコントロールは以下の通りに機能します:
Amount:ディストーションエフェクトの強度を設定します。
Mix:クリーンな信号とディストーションのかかった信号のミックスを制御します。値が 0% のときは、クリーン信号のみになります。値が 50% のときは、クリーンな信号とディストーションのかかった信号が同量でミックスされます。値が 100% のときは、ディストーションのかかった信号のみになります。
Freq:「Downsample」ディストーションタイプの周波数を設定します。